家賃を払えないとどうなる?家賃を滞納したときの完全マニュアル

kyoseitai

【この記事を書いた人】
阿部 信之介(46歳)
貧困サポート委員会 事務局長
神奈川県在住。
アパート管理会社で18年働いた経験を活かし、「家賃を払えない」滞納者の生活を守っている。4人の子供の父親でもある。

家賃を払ってないけど、どうなるんだろう・・・?

「滞納してもまあ何とかなるか・・・」
「払えないものはしょうがない・・・」
「法律で追い出せないらしいから大丈夫・・・」

これは甘い考えです!

こういった方はかなりの確率で「強制退去」させられていました。

私は、アパート管理会社で15年働いた元社員ですが、強制退去させられ本当に悲惨な状況になる人を何百人も見てきました。

家賃の滞納は、正しく対応することで、解決できる問題です。家賃を払えない時でも、正しい対応をすることで穏便に解決することができます。

でもなぜか多くの人は、何もせずに強制退去させられ、貧困から抜け出せないスパイラルに陥っています。

そこで今回は「家賃を滞納した時の対処法」について書くことにしました。家賃を払えなくて困っている方は、ぜひ一度読んでみてください。

その他料金の滞納については、「公共料金を滞納したときの完全マニュアル」も読んでみてください。

そもそも、なぜ強制退去に?

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大家側

家賃収入がないと借金が返せないじゃないか!

当たり前の話ですが、大家も商売です。家賃を滞納されると、ものすごく困ります。

たいていの大家は、銀行に借金をしてアパートやマンションを建てていますので。けど滞納者は、何度も滞納を繰り返す傾向があります。

家賃を払ったり、払わなかったり、急に逃げ出したり、大家の借金返済計画は大きく狂いだします。大家はこういった厄介者を追い出して、毎月シッカリ家賃を振り込んでくれる真面目な人を入居させたいと思っているんですよね。

強制退去ってやつです。

しかし強制退去というものは、そんな簡単にできるものなのでしょうか?

合法的に追い出す!?

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大家側

最近では、違法な「追い出し屋」を使わなくても追い出せるんだぞ!

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アパートの住人は、法律で守られています。簡単には強制退去させられません。

大家が「家賃を払ってくれない!出ていってくれ!」と裁判を起こしても、裁判所はそれをなかなか認めないからです。

それゆえに「追い出し屋」と呼ばれるグレーな業者を雇い、カギ交換や部屋からの締め出し、荷物の処分、強引な強制退去など、違法な行為が行われてきたのも事実です。そうなると警察沙汰になったり、民事で訴えられたり、逮捕者まで出るようになりました。

大家は滞納者を追い出したい。けど滞納者は法律に守られていてヘタに手出しできない。そんな時代が長く続きました。

しかし今は時代が変わりました。「追い出し屋」 を使わずとも、「合法的に滞納者を追い出せる」ようになっています。

裁判で勝つための手順がマニュアル化され、広く世に普及したからです。マニュアル通りに行えば「滞納者をほぼ確実に追い出せる」ようになっています。

でも滞納者を裁判で強制退去させるには、お金がかかるという問題もありました。

低コストで裁判をサポートする業者が乱立

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大家側

強制退去にはお金がかかるので、今までは泣き寝入りしていたけど…。

合法的に強制退去させるには大きなお金がかかります。「証拠集め、調査、書類作成、裁判、代執行、損害賠償金の取り立て」など、色んな手順を踏まなくていけないためです。

それゆえに大家は、裁判で強制退去させるための手法が確立しても、金銭的コストの大きさから、それを避けていたのも事実です。違法な「追い出し屋」に依頼したり、または「どうしようもない・・・」と、泣き寝入りをしたり。

しかしそれを一変させる出来事が起こります。強制退去を専門とした業者の乱立です。不況になれば滞納者が増え、困る大家も増え、大きなお金が動くようになりますよね。それを目当てにこぞって業者が参入してきたのです。(グレー企業ばかりですが・・・)

もちろん昔からそういった業者はあったのですが、かなりの高額を請求されるため、特殊な事情を除いてなかなか依頼できませんでした。

でも乱立した業者は「証拠集め、調査、書類作成、裁判、代執行、損害賠償金の取り立て」 を低コストで行うようになりました。それがさらに価格競争となり、以前の半分以下の費用で全てをサポートするようになったのです。

こうなると今まで泣き寝入りしていた大家が、一気に「合法的な強制退去」に流れていきました。今までの怒りを爆発させるがごとく、一気にです。ある大家は「心底憎かった。でも本当にスッキリした」と、感情的な意味でも強制退去を望んでいるようでした。

こうして「合法的な強制退去」が一気に普及しました。すなわち「滞納者は、高確率で強制退去させられる」時代が来てしまったのです。

では強制退去させられると、どうなるのでしょうか?

強制退去の悲惨さ

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滞納者側

強制退去になったらどうなるの!?

滞納者の方は、強制退去になると、3つの大きな損失が発生します。

  1. 莫大な損害賠償
  2. ブラックリスト
  3. 就職困難

1 莫大な損害賠償

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まず強制退去させられると大きな額の損害賠償を請求されます。これまでの滞納金はもちろん、退去費用、裁判費用、 違約金、遅延損害金、損害賠償金などなど、総額30万円~200万円ほどになります。分割払いもできますが、たいてい5年や10年という長い期間を毎月数万円も返済しなければいけません。生活再建の大きな負担になるでしょう。

2 ブラックリスト

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強制退去させられるとブラックリストに載ってしまいます。こうなると次の賃貸アパートを借りるのが非常に難しくなりますよね。
賃貸業者(アパマンショップやエイブルなど)に行っても、間違いなく門前払いとなり話すら聞いてくれませんから。家を追い出されたのに、次の家が決まらない最悪の状態に陥ります。

3 就職困難

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こうなると仕事にも影響してきます。日本では「家が無い→ホームレス→社会的信用が無い」とみなされます。実際に普通の会社では雇ってもらえなくなり、そのままホームレスになってしまう人も多くいます。
ここまで落ちてしまうと「家が無いから仕事が決まらない、仕事が無いから家も決まらない」という貧困スパイラルに陥り、抜け出すのが非常に難しくなります。貧困ビジネスのターゲットになり、一生搾取される人生に転落する人も多くいます。

ではいつごろ強制退去になるのでしょうか?

強制退去までの流れ

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大家側

証拠をしっかり揃えているから、確実に裁判には勝てるぞ!

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たいていの大家は、賃貸借契約書に「家賃滞納1ヵ月で契約を解除できる」と書いています。ただ1ヵ月では裁判に勝てません。

目安としては「家賃滞納3ヵ月で裁判」です。まず滞納後、1ヵ月たっても払わない場合は、裁判に勝つための「証拠集め」を始めます。2ヵ月待っても払われない場合は、「もう出ていってくれ」と契約解除の催告をします。

そして3ヵ月目。裁判所に明け渡しの訴状を出すのです。それから1か月後の、4ヵ月目に裁判スタートです。(裁判スタートといっても、たいてい1回で終わります)

裁判後、1~2週間で判決が出ます。判決後、2週間経つと判決が確定し「強制退去OK」というお上のお墨付きが出るわけです。

でも話はここで終わらず、「判決が出ました。1ヵ月以内に出ていってください」と滞納者に伝えなければいけません。これは裁判所の執行官が、滞納者の家まで直接行って伝えます。滞納者には、事前連絡なしでイキナリ家に押しかけるため、不在な場合も多く、そんなときは鍵を開けて勝手に入って、「1ヵ月以内に出ていってください」という文章を部屋の中に貼り付けます。

そして1ヵ月後・・・。

ついに強制執行となり、サヨナラとなるのです。ここまで約6カ月ほどです。「滞納してもそこそこ長く住み続けられるんだなー」と思われるかもしれません。ただ、長くなればなるほど、賠償金が途方もない金額になり結構えげつないです。たいていの人は払えるわけも無く、人生詰みの状態になっていました。

ちなみに裁判は、99%大家側が勝っていました。大家は勝てる裁判しかしないからです。滞納者の方は、裁判を起こされた時点で、負けが確定しているようなものです。大家側は、自分達が負けそうな時は、さらに念入りに証拠を集め、勝てるようになるまでその手を緩めることはないので・・・。

このように家賃を払わず滞納し続けたら、いずれは強制退去させられます。しかもその後がかなり悲惨という・・・。

では強制退去から身を守る方法は、ないのでしょうか?

強制退去を回避するための対処法

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滞納者側

強制退去されないためには、どうすればいいの!?

強制退去されないためには、正しい方法で対処すれば大丈夫です。そのノウハウを書いてみます。

  1. 逃げ回る
  2. 分割支払い
  3. 連帯保証人
  4. 夜逃げ
  5. カードローン
  6. 裁判

対処法1 逃げ回る

逃げ回る

滞納した方の多くは、大家から逃げ回ります。
しかしこれはハッキリ言って最悪の手段です。強制退去させられる人は、ほぼこのパターンです。

大家は、滞納者にしつこく家賃の支払いを求めてきます。電話したり、訪問したり、警告文や内容証明郵便を送ってきます。「家賃が支払われていません」「いつ払えますか?」「お金持ってないのですか?」「給料日はいつですか?」と、金の話ばかりするでしょう。

大家がしつこい人だと嫌になると思います。だから多くの滞納者は、電話に出なかったり、居留守を使ったり、警告文を破り捨てたり、大家から逃げたり、無視したります。それでも大家は、何度も何度も電話をかけ、家にまで押しかけてきます。

しかし大家の目的は、[家賃の支払い」ではありません。本当の目的は「強制退去」です。合法的に退去させるために「裁判のための証拠」を集めているのです。

合法的に強制退去させるためには、大家と滞納者の間で「信頼関係が崩れている」という証拠が必要になります。この証拠は、電話にも出ないし、話し合いも拒否するし、約束を守らないし、とにかく「滞納者に誠意がない」というものです。裁判所はこれらの情報を元に「信頼関係が崩れている」と判断し、「強制退去もやむを得ず」と結論を出します。

大家は「勝てる裁判」しかしません。そのために念入りに証拠を集めているのです。逃げ回るのは最悪の手段です。大家に「証拠」を差し出しているようなものです。大家からの連絡は大変苦痛だとは思いますが、話し合いには応じたほうがいいでしょう。

でも大家とはどんな話し合いになるのでしょうか?

対処法2 分割支払い

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家賃が払えない時は、一般的な解決法として「分割支払いや、支払いの先延ばし(ボーナス払いなど) 」が一般的です。大家から話をもちかけられるときもありますし、滞納者側からお願いしてみるのもアリです。

ただし最近は、分割が認められないケースが多くなっています。まず前提として、分割ができるかどうかは、大家次第です。過去に滞納したことがあったり、大家から信頼されてなかったり、無職だったり、どうせ払わないと思われた場合は、分割を拒否されるでしょう。

それに大家は経験上、「滞納には常習性がある」と知っているため、今回解決しても、また問題を起こすと思っています。そのため最近では、分割払いを一切認めないと言う大家も一定数います。(大家は滞納で酷い目に合っている一番の被害者なので、気持ちは分からなくもないですが・・)

また分割がOKになっても、一度でも支払いが遅れると「問答無用で強制退去コース」になるため注意したほうがいいでしょう。

では分割払いがダメだったときは、どうしたらいいのでしょうか?

対処法3 連帯保証人

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滞納者が家賃を払えない時は、連帯保証人に連絡がいきます。連帯保証人は、多くの場合「親、兄弟、親戚、親友」といった身内だと思います。この身内に「電話する、訪問する、警告文や内容証明を送る」などの方法で催促が始まります。

連帯保証人の中には「本人に請求して!」という方がいます。けど残念ながら、法律上これは通りません。連帯保証人は、アパートを借りた本人と同様の支払い義務があり、全てを肩代わりする必要があり、支払いを拒否できないからです。もちろん家賃だけではなく、裁判で確定した損害賠償金すらも支払う義務があります。

連帯保証人には、かなりの迷惑をかけてしまうため覚悟しておかなければいけません。ただ連帯保証人が支払うお金を持っているなら、お願いしてみるのも手です。恥をかき、大きな迷惑をかけてしまいますが・・・。

では、連帯保証人に頼めない事情がある場合は、どうしたらいいのでしょうか?

対処法4 夜逃げ

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夜逃げする方は、少ないながらも存在します。逃げれば楽になれそうですよね。
でも夜逃げはハッキリ言ってオススメできません。結局は、連帯保証人のところに請求がいくからです。自分は逃げられても、家族がその負担を背負うだけです。

高齢の親御さんが100万、200万という負債を背負って、回収業者に頭を下げる姿は、見慣れた自分でもかなり悲惨な光景でした・・。自分の親がこんな目にあったらと思うと・・・。

うーん・・・。やめたほうがいいです。

では、夜逃げ以外にどんな方法があるのでしょうか?

対処法5 カードローン

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手段の1つとして、カードローンも知っておいたほうが良いでしょう。カードローンは、すなわち「借金」です。
借金は怖いと言う人もいますが、今はかなり借りやすくなっています。1ヵ月無利息サービスがあったり、10万借りても金利は月1000円程度だったり、無理のない返済を計画できたり。

また今の時代はスマホだけ完結するようになっています。スマホで申しこみ、審査OKなら、自分の銀行にお金が振り込まれるため、家から出なくても借りられます。

申し込んだその日のうちに貸してくれるカードローン業者も多くなってきました。「日本の男性の60%、女性の40%がローン利用経験あり」という調査もあります。街中を歩いている人たちの2人に1人が、ローンを利用したことがあるくらい、お金を借りるのが一般的になっています。

強制退去に脅えて暮らすよりは、まずカードローンでお金を借りて、大家に「ちゃんと支払えるんですよ」という意思を見せることで、強制退去されにくくなるのも事実です。

※参考
「家賃を払えない人向け」の低金利カードローンはコチラ

でも「借金は嫌だ」という人もいるでしょう。そういった場合、どうなるのでしょうか?

対処法6 裁判

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家賃を払わなければ、3か月後には裁判が待っています。大家が裁判を起こしたら、まず勝ち目がありません。

でも逃げてはいけません。裁判には、必ず出廷しましょう。

滞納者の7割の人が「どうしていいか分からない」「怖い」「なんで俺が」などの理由で出廷しません。出廷しない場合、強制退去どころか、大家の言い分が100%認められ、多額の賠償金が発生します。高確率で人生の再建が難しくなります。

裁判は、とにかく出廷することが大事です。弁護士を雇うお金が無くても、何を準備していいか分からなくても、とにかく出廷してください。

相手の弁護士からボロカスに酷いことを言われ、家賃を払えない理由をイロイロと聞かれて、恥ずかしい思いをするかもしれませんが、必ず出廷してください。

逃げれば、一生後悔するくらいの負債が待っています。出廷してもある程度の負債は覚悟しなければいけませんが、逃げて100%大家の主張が通るよりマシです。

まとめ

強制退去は、その言葉以上に悲惨な状況が待っています。多くの人は、再建が難しくなり、貧困スパイラルに陥ります。

強制退去にならないよう、シッカリと対策をしておいてください。分割をお願いする、連帯保証人にお願いする、カードローンで当面をしのぐなど、最悪のケースになる前に打てるべき手段はあります。

家賃滞納は、結局お金の問題です。お金の問題は、お金でしか解決できません。今はお金が無くても、一時的にお金を借りて、そのうちにお金が順調に入ってくるようになれば、資金繰りも楽になるでしょう。それまでの間をしのぐのが大切です。

それじゃ!

※ご参考に
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